借地と固定資産税

借地

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借地」とはその名の通り、土地を借りることを意味します。自身に所有権はなく、「借地権」を取得し、地主との契約範囲内において土地を利用できるようになります。

通常、自身が所有する不動産には固定資産税や都市計画税が毎年かかります。ですが、自宅の土地が借地だった場合はそれらの税金を支払う必要はありません

 

借地に固定資産税はかからない

冒頭で述べたように、借地に固定資産税や都市計画税はかかりません。

というのも、固定資産税や都市計画税は、不動産の所有者に課される税金であるため、借地権を持っているだけの利用者には支払い義務はありません。※貸している側(=地主)には支払いの義務があります。

勘違いしやすいですが、借地の上の建物については固定資産税・都市計画税両方が課税対象となります

また、借地権者は地主に地代を支払うので、実質的には借地を借りている方が税金を負担しているとも見れます。(土地の地代は、基本的には地主と借地人が合意した金額となるので、明確な決まりはありませんが、あまりに高すぎると利用者がいなくなるので、固定資産税額の2~3倍、もしくは更地の1~2%で設定されることが多いようです。)

 

借地は地主にとって節税となる

地主にとって借地は、一度契約すれば長期的に地代という収入をもたらすものですが、税金面でもメリットが出てきます。

土地の利用者が住宅を建てた場合、固定資産税の軽減措置が適用となり、更地である場合よりも税額が6分の1に減額されるからです。

 

借地で賃貸不動産を経営する場合の注意点

借地では、土地の使用目的に反しない限り、賃貸アパートやマンションを建てて家賃収入を得ることも可能です。しかし、借地で賃貸経営を始める際には以下のような注意点があります。
 

(1)契約内容によっては利用範囲が限られる

 
一般的な土地賃貸借契約書に制限が加えられている場合、第三者に貸し出すことが不可能な場合もあります。建物の構造についても制限を設ける場合があるので、契約の条件をよくよく確認しましょう。

条件に制限があっても、地代をあげることで条件変更を承諾してもらえるケースもあります。

 

(2)増改築や再築は地主の承諾が必要

 
借地契約に増改築の禁止特約が書かれている場合には、地主の承諾が無ければ建て替えができません。許可なく行うと、建て替えの中止、借地契約の解除に繋がる恐れもあります。

 

(3)銀行の融資を受けにくい場合がある

 
賃貸アパートを建てる場合、資金を融資によって補うことも多いですが、借地は安定した担保を確保できないという理由から融資獲得が不利になっています。

通常では土地と建物を担保に設定しますが、土地が借地権の場合、土地を自分で所有しているときよりも担保価値は低くなってしまいます。差し押さえられる不動産の価値が低い場合、銀行は融資を当然渋ります。

また、借地人が地代を滞納したり、契約内容に反する建物の増改築をした場合、借地契約を解除される可能性もあるので、銀行側にとってはリスクを抱えます。よって、融資審査も慎重にならざるを得ないのです。

 

まとめ

借地は所有権を持たない以上、固定資産税や都市計画税を支払う義務はありません。ただし、地代の支払いがあるので、実際には税金を負担しているとも見れます。

借地でも契約条件や地主との交渉次第では賃貸経営も可能です。賃貸経営ができれば、借地の有効活用だけでなく安定収入の確保になるので利点は大きいと言えるでしょう。

 


 

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この記事を書いた人

大学卒業後、不動産会社で4年ほど実務を経験。
その後、会計事務所に勤務しながら税理士資格を取得し、不動産業界での経験を活かして不動産会社や不動産投資家の税務サポートに従事。