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確定申告を行うには、「得ている収入がどの所得にあたるのか」をしっかり把握しておく必要があります。
賃貸アパートやマンションを経営していて家賃収入を得ている場合は、通常であれば「不動産所得」になりますが、ケースによっては「事業所得」に該当するので注意しなければなりません。
このコラムでは不動産所得と事業所得の違いや、判断基準について説明します。
自身の所得をしっかり把握して、確定申告に役立ててください。
不動産所得とは
不動産所得の定義は以下になっています。
- 土地や建物といった不動産の貸付によって得られる所得
- 地上権など不動産にまつわる権利の設定や貸付で得られる所得
- 船舶や航空機による貸付で得られる所得
所有しているアパートやマンションを人に貸している大家さんや、資産運用でワンルームマンション等を貸している給与所得者は、基本的に不動産所得の確定申告を行います。
事業所得とは
事業所得の定義は以下の通りです。
- 農業や漁業、製造業、小売業、サービス業といった事業を通して稼いだ所得
個人で事業をしていたり、フリーランスとして仕事を請け負っている場合は、この事業所得を申告します。
不動産所得か事業所得の判定
不動産の貸付は、原則として事業所得ではなく不動産所得となります。
ただし、その不動産貸付けが事業的に行われているかどうかで区分が異なってきます。
事業にあたるかどうかについては、「社会通念上で妥当かどうか」で判断しますが、判断基準として下記のものがあります。
(1)判例による実質的判断基準
国税局は不動産の貸付けが事業に該当するかどうかについて、下記の点を総合して判断します。
- 営利性・有償性の有無
- 継続性・反復性の有無
- 自己の危険と計算における企業遂行性の有無
- その取引に費やす精神的肉体的労力の程度
- 人的・物的設備の有無、取引目的
- 対象者の職歴・社会的地位・生活状況
- 対象事業が生活の糧となるものか
- 一般的に職業として認知できるか
(2)一般的な判断基準
不動産経営には具体的基準が設けられています。
- 建物の貸付けの場合、アパートやマンションの部屋を10部屋以上持っている
- 独立家屋の貸付けについては、5棟以上を所有している
- 駐車場の場合は保管責任があり駐車可能台数が50台以上であること。
上記の規模の場合は、事業所得に該当します。
なお、賃貸物件を賄い付きにして下宿経営とした場合は、民宿や旅館経営と同じ扱い(サービス事業)となり、事業所得とされます。
まとめ
ほとんどのケースでは、不動産の貸付けは不動産所得して申告しますが、事業規模に該当する場合は事業所得として申告しなければならないので注意しましょう。
判断に困る場合は、不動産税務を専門とする税理士に相談することをお勧めいたします。
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