不動産による相続税対策④「相続時精算課税制度」を活用

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不動産による相続税対策には生前贈与を利用する方法もあります。

生前贈与を行うと相続税の代わりに贈与税が発生しますが、目的や用途に応じて非課税枠が設けられているので、うまく活用すれば税額を抑えることができます。
 

本コラムでは生前贈与制度の一つである「相続時精算課税制度」を利用した不動産の相続税対策について解説いたします。

 

相続時精算課税制度とは

相続時精算課税制度とは、60歳以上の父母や祖父母から、20歳以上の推定相続人にあたる子供または孫に財産を贈与する際に、2,500万円まで非課税となる制度です。

贈与は1回限りではなく贈与の合計額でカウントされ、非課税枠を超えた分に一律20%の贈与税がかかります
 

制度を活用すれば、

  • 早期に財産移転が可能
  • 贈与する相手を自由に選べる
  • 収益物件の贈与の場合、間接的な相続税対策になる
  • 値上がり見込みがある財産を贈与する場合にお得

等のメリットがあります。
 

贈与税対策としては便利な制度ですが、デメリットも多いことが特徴です。

むしろ、相続まで含めると懸念事項が多く、安易な活用には注意が必要です。

 

制度の要件

贈与の受贈者は、

  • 贈与時に国内に住所を持っている
  • 国内に住所がない場合、日本国籍を持っているかつ受贈者と贈与者のどちらかが贈与の5年前以内に国内に住所を持っていたことが必須
  • 受贈者が国内に住所がなく国籍も持っていない場合は贈与者が日本国内に住所を有していること
  • 贈与者の直系卑属で、将来的に贈与者の相続人になる予定
  • 贈与を受けた年の1月1日時点で20歳以上

の条件を満たすことが必要です。
 

贈与者も

  • 贈与した年の1月1日時点で60歳以上

である必要があります。

 

活用における注意点

前述したように、相続時精算課税制度には多くのデメリットがあります。

  • 同制度で贈与した財産は相続時に相続財産に含まれ相続税の課税対象となる
  • 相続時精算課税制度を利用すると通常の生前贈与(暦年課税)に戻せない
  • 無税でも毎年贈与税の申告が必要
  • 相続時に小規模宅地の特例が受けられない
  • 不動産の贈与の場合、移転コストが高くなる
  • 相続人が孫の場合、相続税の2割加算が発生する可能性がある

 
相続時財産課税制度では贈与税を控除されても相続時には課税財産の対象になり相続税が発生するため、実質的には納税を後回しにしているだけです。(贈与時に払った贈与税分は、相続税から差し引かれます。)

また、土地の評価額を最大80%減額する「小規模宅地等の特例」を利用できないことや、登録免許税等の移転コストが相続時より高くなること、孫など(配偶者や一親等の血族以外の人)が受贈者の場合は相続税が1.2倍になること等から、節税として活用するにはリスクが大きいと言えます。

 

不動産を絡めた活用例

相続時財産課税制度は何の策も講じずに利用すると節税効果はほとんどありません。

ただし、「相続時に時価が大幅に上がる予定の不動産」なら、節税に繋がる可能性があります。
 

例えば、相続時に評価額が5,000万円から7,000万円に値上がりする土地なら、相続時には7,000万円が課税対象ですが、相続時精算課税制度で贈与すれば、相続時の課税対象額は贈与時の評価額である5,000万円で良くなります。

単純に差し引きすれば、2,000万円分の相続財産を減額できます。
 

また、賃貸不動産の贈与であれば、贈与後の家賃収入等は受贈者のものとなるので、本人の所得が減少し、所得税の累進税率が下がります。

贈与分だけ相続財産も下がるので、相続税率も抑えられることになります。
 

ただし、ケースごとに節税になるかどうかは変わってくるので、専門の税理士に確認した方が良いでしょう。

 

まとめ

相続時精算課税制度は贈与する資産と後々の相続状況によっては節税に使える制度です。ただし、ご自身で判断して利用するにはリスクがとても大きいので、慎重に進める必要があります。

相続税や贈与税を抑えるベストな方法は、遺産相続状況や財産額によって変わってきますので、専門家に相談して税金額をシミューレションした方が一番安全です。

 


 

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この記事を書いた人

大学卒業後、不動産会社で4年ほど実務を経験。
その後、会計事務所に勤務しながら税理士資格を取得し、不動産業界での経験を活かして不動産会社や不動産投資家の税務サポートに従事。