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前回、不動産経営を法人化するメリットについて解説いたしました。
法人化には節税はもちろん、経費計上や他の面でも良い点が多いですが、デメリットもあることに留意すべきです。
今回のコラムでは不動産経営を法人化するデメリットについて解説していきます。
設立のための費用がかかる
法人化には個人で行う際に必要がなかった手間や費用が発生します。
設立には会社商号や本店所在地等が記載された定款の認証手数料や謄本手数料、定款に貼る収入印紙代といった費用が発生する他、資本金の額に応じた登録免許税等もかかってきます。
また、登記の手続きを専門家に依頼した場合には代行料がかかります。
確定申告が複雑化する
青色申告か白色申告を選択して所得を算出し、税金を申告することは、法人でも個人でも変わりません。ただし、法人の場合は必要な帳簿の記載事項が多く、内容も詳細なものが求められます。
必要書類の作成に時間がかかるので、大半の企業は税理士と顧問契約を結び、手続きを代行してもらいます。ここでも定期的な報酬の支払いがあることに留意しておくべきです。
その他、決算公告や株主総会の実施、社会保険料や都道府県税の納付、償却資産申告書の提出など、法人ならではの細かい手続きがいくつもあります。
法人所得がなくても住民税の均等割がかかる
地方税には法人所得に応じた所得割という税金の他に、所得の有無にかかわらず、会社があるだけで課税される「均等割」という税金があります。
そのため、決算が赤字であれば税金を支払う必要がない個人と違い、法人はたとえ赤字であっても税金が発生します。
均等割は、次の3つの税目について決定します。
- 都道府県民税・・・資本金等の金額に応じて決定
- 市町村民税・・・資本金等の金額と従業員数に応じて決定
- 東京都特別区の都民税・・・東京都の特別区(23区)にのみ事業所等を有する会社については、都道府県民税と市町村民税の合計額となる
例えば、東京都23区内で従業員数が50人の事業所を保有している場合、資本金等の金額が1,000万円以下の場合は、70,000円となります。
不動産を移転するときは、不動産取得税などの負担がある
現在所有している不動産を、設立した会社に移転する場合、不動産取得税や所有権移転登記をする際の登録免許税がかかります。
そのほかにも売却価格によって、譲渡所得税が発生する可能性もあります。譲渡所得税は所有期間によって税率が変わり、5年以内の短期間で売却した場合は売却利益額に対して39%も課税されるので注意しましょう。
まとめ
不動産経営を法人化する際のデメリットについて解説いたしました。
法人化については多くのメリットがあるのも事実ですが、金銭的・時間的なコストもかかることをしっかり把握しておきましょう。法人化をサポートしている専門の業者に相談するのも選択肢の1つです。
安易に実施するのではなく、費用対効果や注意点を踏まえてしっかり検討してください。
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